中小企業DX事例
2021年 エネルギー供給業(大手企業関係会社)従業員数 約100名
人事労務業務の内製化に向けて、
紙などで点在していた人事情報をデジタル一元管理へ
連携
支援機関
- IT
コンサルタント - 税理士
- 社会保険
労務士 - 金融機関
- OA商社
- ITメーカー
- その他
ご相談の背景
アウトソーシングしていた人事労務業務を内製化したい
総合エネルギー事業を展開する大手企業の子会社であるお客さまは、人事労務業務と関連するシステムの運用を同じグループの会社へすべてアウトソーシングしていましたが、弊害も生じていました。人事に関する情報がほしいと思っても、アウトソーサーに依頼をかけて入手するまでに一定の時間がかかる。また必要な情報がどこにあるのかも把握できていない。迅速な経営判断を行うためにも、自社内に管理部門をもつ必要性を感じ、検討を始めました。しかし、いざバックオフィス部門を立ち上げ、人事労務業務を内製化しますといっても、長年のアウトソーシングによる影響でノウハウがありません。そこで、人事制度設計からシステムまで精通している社労士を探して、アクタスに相談がやってきました。
問題点
紙やExcelで点在する人事情報、業務の詳細な知識がない状態
現在行われている人事労務業務のヒアリングをお客さまへ行ったところ、人事情報は紙やエクセルで管理されていることがわかりました。また、アウトソーサーヘの窓口となる複数の担当者で管理方法はバラバラで、人事情報は点在し、一元管理ができていませんでした。さらに、担当者の人事労務業務の知識は年で発生するイベントや手続きの概要は把握しているものの、給与計算のルールや法改正情報、各種社会保険手続きの詳細までは把握できていません。そのため現在のまま人事労務業務のすべてを自社で行うことは難しい状況でした。
目指したゴール
人事情報をデジタルで一元管理できる仕組みへ
こうした問題を解決するために、お客さまとアクタスの社労士、ITコンサルタントによる議論を重ね、人事情報をデジタルで一元管理する仕組みづくりをゴールに掲げました。一元管理のために給与計算・勤怠管理・人事管理など、これまでバラバラだった人事労務関連システムはすべて株式会社オービックビジネスコンサルタント社の「奉行クラウド」に統一。そして、奉行クラウドの導入と同時に業務の内製化を無理なく確実に行える導入スケジュールを組み立てました。具体的には給与計算、勤怠管理、人事管理の3つのフェーズに分けて、順番にシステムと業務を導入していくことにしました。
解決方法
システムと人事労務業務をお客さまでできるように支援
内製化プロジェクトの導入スケジュールは12か月間。アクタスのITコンサルタントと社労士は業務を分担しつつも、連携しながら並走し、お客さまとともに新たな業務フローを組み立てていきました。新しい業務フローをもとにITコンサルタントはシステムの要件定義から初期セットアップ、テストなどを通じてお客さまへシステムの使い方をサポート。社労士は月次の給与計算、社会保険手続き、年末調整などの実務をお客さまにお伝えしながら、ご自身でできるように支援していきました。
成果・効果
人事労務業務のデジタル化と内製化が完成
プロジェクト終了後、アウトソーサーから人事労務業務をお客さまへ引継ぎ、自社で一貫してすべての業務を完結できました。また、人事情報のデジタル一元管理により、経営者や各種省庁に提出する管理資料が短期間で作成。社会保険手続きの電子申請や各種電子申告、人事関連の申請ワークフローも電子化となり、業務のデジタル化=DXを見事実現することができました。
担当専門家より
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原田 勇二
アクタスITコンサルティング(株)
シニアマネジャー シニアマネジャー
業務システム本来の機能をフル活用し、業務フローやシステム設定はなるべくシンプルにするよう心掛けました。実務とシステムに精通した専門家が協力し、両輪でお客様に伴走支援できたアクタスグループならではの事例と言えます。
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山崎 精一郎
アクタス社会保険労務士法人
シニアマネジャー 社会保険労務士 シニアマネジャー/ 社会保険労務士
業務知識の向上のため、担当者向けの研修を実施して、求められる背景やより本質的な理解を深めていただきました。実務面では単なる操作指導ではなく、アウトソーシングの経験を活かし、法令順守への対応と効率性・再現性を高める仕組み作りの支援を心掛けました。